Aphex Twin - Syro

今日は久しぶりに研究室で作業したのもそうなんだけど,実はAphex Twinの新作アルバム「Syro」の発売・ダウンロード開始日でもあった.

 「あ,そうだったな」という感じで,Bleep.comでFLAC形式のデータをあっけなく購入,そしてダウンロード.

たとえ山奥の研究室にいても,最新の音源がすぐ手に入る良い時代になったものだ(お金ェ)...

音源と一緒についてきた機材リストのPDFデータを見ると,おびただしい量のハードウェアの名前が挙げられていた(DTM全盛期のこの時代で).

今日は一日中アルバムをループして聴いていた.

 

Syroを何度か聴いた感想として,一言目は「この音を待っていた」.

前作「drukqs」よりは穏やかな(だけど超複雑)ブレイクビーツ上でのアシッド音,いわゆる“うにょうにょした音”がベースメロディとして鳴りまくってる.

そこにいつものリチャさんらしい浮遊感ある和声シンセ.

Analordシリーズの音楽がより空間的に広がったような印象を持った.

 

 

 

先行公開された"minipops 67 [120.2][source field mix]”はまさにドンピシャの楽曲だった.

その延長で,前半はBPM低めで内省的な楽曲群.

「SAW」や「SAW2」の楽曲にある神秘的なアンビエントっぽい)要素が大きい

後半はBPM高めで「drukqs」の楽曲に似たものを感じるが,そこまで突き抜けた印象は持たなかった.

個人的なベストは,2曲目“XMAS_EVET10 [120][thanaton3 mix]”の3:18あたりで,シンセ音がフッと消える瞬間だった(笑)

 

しつこいけど,感想の一言目は「この音を待っていた」.

やっぱりリチャさんが作る曲はリチャさんらしいし,僕もこういう音楽が聴きたかった.

だけど,正直なところ,Aphex Twin名義のアルバムとしては「物足りない」印象.

だってこのアルバム,最後まで素直に聴き通せたもん(笑)

歴代のAphex Twin名義のアルバムなら,どこかで「なんやねん,この音は!」って一度聴くの中断したり,次の曲に飛ばしてたのに.

それは,攻撃的で無邪気な打ち込み音や高周波音だったり,あるいはズッコケそうになりそうなくらい安っぽすぎる音だったり,どちらにしてもこの人の遊び心(故の狂気や怖さ)が感じられた.

 

ただ,今回のアルバムはそういった突き抜けたところがなくて,職人的なんだけどかしこまっちゃった印象を受けた.

音は待ち望んでたものだったし聴きこめば良さがわかるんだと思うんだけど,なんか真っ先に直感に訴えてくる部分が少ないような.

酒呑んで踊りながら大きい音で聴いてみたいな.